
自宅や店舗、マンションの周辺で犯罪が起きたと聞くと、不安になり「何をすればいいのか分からない」と感じる方が多いです。ですが、最初の数分〜数時間の動きで、被害の拡大を防げる可能性が高まります。
本記事では、「近くで犯罪が起きたらどうするべき?」という疑問に対し、一般の方でも実行しやすい初動対応、警察への伝え方、そして防犯カメラやセンサーを使った再発防止策を、分かりやすく整理します。
なお、事件の状況や地域のルールによって最適な対応は異なります。ここでは一般的な注意点としてまとめ、最終的には警察や専門家の指示・助言に従ってください。
目次
1. まず最優先:身の安全の確保
加害者が近くにいる可能性を前提に動く
「近くで犯罪が起きた」と分かった直後は、犯人がまだ周辺にいる可能性もあります。まずは安全な場所へ移動し、無理に現場へ近づかないことが大切です。
- 暗い路地や人気のない場所には近づかない
- 店舗なら出入口を施錠し、来店者の出入りを整理する
- マンションならオートロックや共用部の扉を再確認する
- 不審者を見かけても、追いかけず距離を取る
自分や従業員・家族の安全を「見える化」する
中小企業や店舗では、誰がどこにいるか把握できないと不安が広がります。連絡手段(社内チャット・電話連絡網など)を使って、安否確認と待機場所を決めましょう。
2. 通報の判断:110番・119番・相談窓口
緊急性があるなら迷わず110番(負傷があれば119番)
「今まさに起きている」「犯人が近くにいる」「被害が拡大しそう」など緊急性が高い場合は110番です。負傷者がいる、意識がないなどの救急要素がある場合は119番も検討してください。
相談レベルでも記録は価値がある
「音がしただけ」「不審者らしき人を見た」など確定でなくても、地域の防犯体制に役立つことがあります。地域の警察相談窓口や交番への相談も含め、メモに残すだけでも後で助けになります。
通報時に伝えるとよい情報(テンプレ)
緊張してうまく説明できないことが多いので、要点を押さえます。
| 項目 | 伝える内容の例 | チェック |
|---|---|---|
| 場所 | 住所・目印(店名、建物名、交差点名) | □ |
| 何が起きたか | ひったくり/不審者/器物損壊/侵入など分かる範囲で | □ |
| 時間 | 何時何分ごろ、いつ気づいたか | □ |
| 人物像 | 性別・服装・身長感・特徴(帽子、マスク、髪色など) | □ |
| 移動手段 | 徒歩/自転車/車、進行方向(北へ、駅方面など) | □ |
| 防犯カメラ | 周辺に防犯カメラがあるか、映像が残りそうか | □ |
3. 現場対応:証拠を守り、二次被害を防ぐ
現場に触れない:指紋・足跡などが消えるリスク
侵入や盗難、器物損壊などの可能性がある場合、現場に触れると証拠が失われることがあります。片付けたい気持ちを抑え、警察の到着まで現状維持を意識しましょう。
写真やメモで「状況の保存」をする
安全を確保したうえで、スマホで状況を撮影し、気づいた点をメモします。撮影は無理をせず、危険があれば中止してください。
- 壊された箇所、散乱状況、侵入経路らしき場所
- 気づいた時刻、音や人影などの状況
- 周辺の街灯、死角、見通しの悪いポイント
SNS投稿は慎重に:誤情報・犯人刺激・プライバシー
現場写真や「犯人らしき人」の情報をSNSに出すと、誤情報の拡散やプライバシー侵害、犯人を刺激して危険が高まる可能性があります。共有は警察・管理会社・関係者の範囲に留めるのが無難です。
4. 防犯カメラがある場合:映像の扱い方と注意点
まず「上書き期限」を確認し、保全を最優先に
防犯カメラ(監視カメラ)は、保存容量により数日〜数週間で自動上書きされることが多いです。事件前後の時間帯を含め、上書き前に映像を保全しましょう。
映像の切り出しは「必要範囲のみ」が基本
防犯カメラ映像には第三者が映り込むため、取り扱いは慎重さが必要です。一般的には、
- 警察への提供は求められた範囲で対応する
- 店内共有でも、必要な担当者に限定する
- 外部への転載は禁止転載は禁止提供は避け、専門家に相談する
個人情報やプライバシーに関わるため、社内規程や掲示(撮影中の案内表示)も含め、最終判断は専門家に確認してください。
防犯カメラが「役に立つ」設置条件
近くで犯罪が起きた際、防犯カメラが効果を発揮しやすいのは次の条件です。
- 顔が映る距離・角度(逆光や暗所対策含む)
- 侵入経路・動線(出入口、駐車場、裏口)を押さえている
- 夜間も撮れる性能(赤外線など)
- 時刻が正確(録画機の日時ズレがない)
5. 近隣・社内への共有:伝え方のコツ
「事実」と「推測」を分けて伝える
混乱時ほど、噂が広がりやすいです。共有する際は「何が起きたか(事実)」「何が不明か」「今の対応」を短くまとめます。
店舗・事務所なら、スタッフ向けの注意喚起を具体化
抽象的な「気をつけて」ではなく、行動に落とし込みます。
- 閉店後は複数人で退店する
- 裏口の施錠と、鍵の保管ルールを徹底する
- 不審な来客には一人対応しない
- 現金・貴重品の保管場所を見直す
6. 再発防止:防犯カメラと周辺対策の見直し
「狙われやすさ」を作る要因を潰す
犯行は「入りやすい」「見つかりにくい」「逃げやすい」場所で起きやすい傾向があります。まずは敷地・建物周りの弱点を洗い出しましょう。
防犯カメラ+照明+施錠のセットで効果が出やすい
防犯カメラ単体では、死角や暗さで映らないことがあります。照明(センサーライト)や施錠強化と組み合わせると、抑止と記録の両方が狙えます。
| 対策 | 狙い | 具体例 |
|---|---|---|
| 防犯カメラ(ネットワークカメラ含む) | 抑止・証拠記録 | 出入口、レジ周辺、駐車場、バックヤード |
| センサーライト | 視認性UP・威嚇 | 裏口、ゴミ置き場、植栽の陰 |
| 施錠・補助錠 | 侵入難度UP | 窓の補助錠、サムターン対策、ドアの強化 |
| 入退室管理 | 内部不正・持ち出し防止 | カード認証、暗証番号、ログ(記録)の保存 |
| 見通し改善 | 死角の削減 | 植栽の剪定、掲示物の整理、物陰の撤去 |
7. 予算別:すぐできる対策と導入の目安
今すぐできる(ほぼゼロ〜少額)
- 施錠の徹底(閉店・退社チェックリスト化)
- 死角になっている物置や段ボールの撤去
- 出入口周りを明るく保つ(球切れ交換)
- 「防犯カメラ作動中」等の掲示を見直す
数万円〜:センサー・簡易カメラで抑止力を上げる
センサーライトや簡易な防犯カメラを追加すると、「見られている」環境を作れます。配線工事が難しい場所は、電源や通信方式(Wi-Fiなど)を整理してから検討すると失敗しにくいです。
しっかり運用:録画機・複数台・入退室管理も検討
店舗や事務所、マンション共用部では、複数台の防犯カメラと録画機(NVR/DVRなど)で死角を減らし、必要に応じて入退室管理(いつ誰が出入りしたかの記録)を組み合わせると、抑止・追跡の精度が高まります。
8. 導入後の運用:見落としがちなポイント
「録れていない」を防ぐ点検ルール
犯罪発生後に「録画が止まっていた」「日時がズレていた」と判明するケースは少なくありません。月1回でもよいので点検を習慣化します。
- 日時が合っているか
- 夜間映像が暗すぎないか
- レンズ汚れ(蜘蛛の巣、雨だれ)がないか
- 保存期間(上書き日数)が想定どおりか
運用ルール(誰が見る・いつ見る・どう保管する)を決める
防犯カメラ映像は扱い方を間違えるとトラブルになり得ます。「管理責任者」「閲覧権限」「保存・削除ルール」を文書化し、必要に応じて専門家へ相談しましょう。
9. よくある質問(Q&A)
Q1. 近くで犯罪が起きたとき、現場を見に行ってもいいですか?
安全が最優先です。犯人が周辺にいる可能性があるため、むやみに近づかない方がよいです。警察の指示がある場合のみ、無理のない範囲で協力してください。
Q2. 防犯カメラ映像は警察にすぐ渡すべきですか?
まずは上書きされないよう映像を保全し、警察から依頼があった範囲で提供するのが一般的です。第三者の映り込みもあるため、取り扱いは慎重にし、必要なら専門家に相談してください。
Q3. SNSで注意喚起したいのですが問題ありませんか?
誤情報やプライバシー侵害、犯人を刺激するリスクがあります。写真や人物情報の公開は避け、共有が必要なら警察・管理会社・関係者の範囲に限定するのが安全です。
Q4. 店舗やオフィスで優先して見直すべき場所はどこですか?
出入口(正面・裏口)、レジ周り、バックヤード、駐車場、ゴミ置き場が優先です。死角になりやすい場所は、照明やセンサーライトとセットで考えると効果が出やすいです。
Q5. 「入退室管理」は犯罪対策に役立ちますか?
役立ちます。入退室管理はカードや暗証番号で出入りを制御し、ログ(記録)を残す仕組みです。外部侵入だけでなく、内部不正の抑止にもつながります。


