「防犯カメラを導入したいけれど、録画時間はどれくらい確保しておけば安心なのか分からない…」というお悩みは、多くの店舗オーナーやオフィスのご担当者から聞かれます。録画時間と録画容量は、防犯カメラシステムのコストや運用に直結する重要なポイントです。

本記事では、防犯カメラの録画時間の考え方や、用途別のおすすめ録画期間、必要な録画容量の目安を分かりやすく解説します。初めて防犯カメラを導入する方でも、「自社・自店舗にはどれくらいの録画時間が必要か」をイメージできる内容になっています。

できるだけ専門用語もかみ砕いてお伝えしますので、入門ガイドとしてぜひお役立てください。

1. 防犯カメラの録画時間を決める3つのポイント

1-1. 何日分の映像を残したいか(保存期間)

防犯カメラの録画時間を決めるうえで、まず考えるべきなのが「何日分の録画を残したいか」です。一般的には、最低7日〜30日程度を目安に検討されるケースが多くなっています。

  • 小規模店舗・事務所:7〜14日分の録画
  • 現金を扱う店舗・クリニック・来訪者の多いオフィス:14〜30日分の録画
  • マンション・大型商業施設・工場など:30日分以上を確保するケースもあり

不審な出来事に気づくタイミングは、発生直後とは限りません。クレームやトラブルが後日発覚することもあるため、業種・リスクに応じた録画期間の設定が重要です。

1-2. カメラの台数・画質・フレームレート

録画時間に大きく影響するのが、カメラの台数画質(解像度)、そしてフレームレート(1秒間のコマ数:fps)です。高画質・高フレームレートに設定すると、防犯カメラの映像はきれいになりますが、その分だけ録画容量を多く消費します。

  • フルHD(200万画素)より4K(800万画素)の方が容量は大きい
  • 10fpsより30fpsの方が容量は大きい
  • 同じレコーダーでも、カメラ台数が倍になれば必要な容量もほぼ倍

「必要なところは高画質」「その他は標準画質」といったメリハリをつけることで、防犯カメラの録画時間を確保しながら、コストを抑えることができます。

1-3. 常時録画か、動体検知録画か

録画方式も、防犯カメラの録画時間を左右する要素です。

  • 常時録画:24時間連続で録画する方式。すべての映像が残る一方で、容量を多く消費します。
  • 動体検知録画:人や車など動きがあった時だけ録画する方式。映像にムダが少なく、録画時間を延ばしやすいのが特徴です。

夜間はほとんど人が通らないオフィスや倉庫であれば、動体検知録画を組み合わせることで、同じ容量でも録画期間を大幅に伸ばすことが可能です。

2. 用途別・防犯カメラ録画時間の目安

2-1. 業種・用途ごとの録画期間の目安

ここでは、よくある業種・用途別に、防犯カメラの録画時間の目安をご紹介します。あくまで一般的な目安であり、最終的には自社のリスクや社内ルールに合わせて決定することが大切です。

用途・業種録画期間の目安ポイント自社候補
小売店舗(コンビニ・スーパーなど)14〜30日返品・クレーム対応、防犯対策の両面からある程度長めに確保
飲食店・美容室など予約中心店舗7〜14日来店日時との照合がしやすいため、2週間程度で足りるケースが多い
オフィス(受付・出入口)14〜30日来訪者管理やトラブル確認を目的に、やや長めに設定する企業が多い
マンション・集合住宅の共用部14〜30日掲示板への落書き・ゴミ出しトラブルなどの確認に使われることが多い
倉庫・工場・駐車場7〜30日異常発生に気づくまで時間がかかる場合は余裕をもって30日程度

「防犯カメラ 録画時間」を検討する際は、どのくらい後になって映像を見返す可能性があるかを軸に、上の表を参考にしながら検討するとイメージしやすくなります。

2-2. 夜間のみ監視したい場合の考え方

24時間フルで録画する必要がなく、「夜間だけ録画したい」というケースもあります。この場合、実際に録画する時間が1日あたり8〜12時間程度に減るため、同じ容量でも録画期間を長く確保できます。

  • 例:24時間録画10日分 → 夜間12時間のみ録画にすれば理論上は約20日分相当
  • タイマー録画機能やスケジュール録画機能があるレコーダーを選ぶと便利

夜間だけ人が出入りする倉庫や車庫などでは、時間帯をしぼった録画設定で、防犯カメラの録画容量を有効に活用できます。

3. 画質・フレームレートと録画容量の関係

3-1. 解像度(画素数)が上がると録画容量も増える

防犯カメラの画質を表す指標として「解像度(画素数)」があります。フルHD(1920×1080、約200万画素)、4K(約800万画素)といった表現を耳にしたことがあるかもしれません。解像度が高いほど、細かな文字(ナンバープレートやレジ周りの手元など)が読み取りやすくなりますが、その分録画容量も増え、同じHDD容量でも録画時間は短くなります。

3-2. フレームレート(fps)による違い

フレームレートとは、1秒間に何枚の画像を撮影して動画を構成するかを表す数値で、単位はfps(frames per second)です。一般的な防犯用途では、5〜15fps程度で運用されることが多く、30fpsのような高フレームレートは「より滑らかな映像が必要な場合」に選択されます。

設定例用途イメージ容量のイメージ採用候補
フルHD・5fps人の出入りが少ない通路や倉庫容量少なめ・録画時間を長く確保
フルHD・10〜15fps店舗のレジ周り・出入口画質と容量のバランスがよい標準設定
フルHD・30fps動きの激しい工場ラインなど、細かな動きを残したい場所容量多め・録画時間は短くなりやすい

「防犯カメラ 録画時間」と「画質」はトレードオフの関係です。すべてを最高画質にするのではなく、重要なポイントだけ画質を上げる運用が現実的です。

4. 録画機(レコーダー)・記録媒体ごとの特徴

4-1. NVR・HDDレコーダー

もっとも一般的なのが、HDD(ハードディスク)を内蔵したネットワークビデオレコーダー(NVR)やデジタルレコーダーです。容量(TB:テラバイト)が大きく、複数台の防犯カメラの録画時間を長期間保存できるのが特徴です。

  • メリット:長時間の録画に向く、複数カメラを一括管理できる
  • デメリット:機器自体が大きく、設置スペースが必要、HDDの経年劣化に注意

4-2. SDカード録画タイプ

カメラ本体にSDカードを挿入して録画するタイプもあります。配線がシンプルで、少数台の設置に適していますが、容量が限られるため録画時間は短くなりがちです。

  • メリット:レコーダー不要で導入しやすい、初期費用を抑えやすい
  • デメリット:長期間の録画には不向き、カードの抜き差しによる管理が必要

4-3. クラウド録画

近年増えているのが、インターネット経由で映像をクラウド上に保存する「クラウド録画」です。録画時間(保存日数)のプランを選択し、月額料金を支払うモデルが一般的です。

  • メリット:災害や盗難でレコーダーが破損しても映像が残る、遠隔から簡単に確認できる
  • デメリット:インターネット環境が必須、ネットワークの帯域をある程度消費する

「録画時間は長く欲しいが、機器の管理はあまり行いたくない」という場合は、クラウド録画プランを検討するのも一案です。

5. 必要な録画容量の簡易計算方法

5-1. シンプルに考えるための前提

厳密な計算にはビットレートなどの専門的な数値が必要ですが、ここでは初めての方向けに、ざっくりと必要な録画容量をイメージするための考え方をご紹介します。

たとえば、以下のような前提で考えます。

  • カメラ画質:フルHD
  • フレームレート:10fps
  • 録画方式:常時録画
  • 圧縮方式:H.265(最近の標準的な圧縮方式)

5-2. よくある構成パターンの目安

上記の前提に近い条件では、おおよそ以下のようなイメージで「防犯カメラ 録画時間」とHDD容量の関係をつかむことができます(実際の容量は機器や設定によって変動します)。

  • カメラ4台・1TBのHDD:10〜14日分程度
  • カメラ4台・2TBのHDD:20〜30日分程度
  • カメラ8台・4TBのHDD:20〜30日分程度

「カメラの台数が倍になれば、必要な容量もおおよそ倍になる」というイメージを持っておくと、録画容量の検討がスムーズになります。

5-3. 相談時に伝えておくと良い情報

販売店や施工業者に見積もりを依頼する際は、次のような情報を伝えておくと、必要な録画時間・録画容量の提案がスムーズです。

  • 設置したい防犯カメラの台数(予定)
  • 希望する録画期間(日数)
  • 特に高画質で残したい場所(レジ、出入口など)があるか
  • 24時間録画か、時間帯を絞るか(夜間のみ等)

6. 録画時間を延ばすための設定と運用のコツ

6-1. 画質・フレームレートを最適化する

録画時間を延ばす最もシンプルな方法は、画質とフレームレートを調整することです。例えば、人物の顔や手元を確認したいエリアはフルHD・10fps、出入口からの人の出入りをざっくり把握したいだけの通路はHD・5fpsなど、場所によって設定を変えると効果的です。

6-2. 動体検知やタイマーを活用する

常時録画から動体検知録画に切り替えるだけでも、防犯カメラの録画容量の消費は大きく変わります。また、夜間や休日のみ監視したい場合は、スケジュール機能を使って録画する時間帯を絞ると良いでしょう。

6-3. 定期的なバックアップと上書き設定

ほとんどのレコーダーには、HDDがいっぱいになると古いデータから自動で上書きする機能があります。重要な映像を残しておきたい場合は、PCや外付けHDD、クラウドなどへのバックアップも検討しましょう。

7. 録画期間と法律・個人情報保護の考え方

7-1. 必要以上に長く残しすぎない

防犯カメラの映像には、従業員や来訪者などの顔・行動が映り込むため、個人情報として扱われるケースがあります。一般的には、目的に照らして必要な範囲内で録画期間を設定することが望ましいとされています。

「念のため、いつまでも保存しておく」という運用は、個人情報保護の観点から望ましくありません。防犯目的に必要な「防犯カメラ 録画時間」を明確にし、一定期間経過後は自動的に上書きする運用を基本とすると安心です。

7-2. 社内ルール・掲示で周知する

防犯カメラを設置する際は、従業員や来訪者に対して「録画していること」「目的」「保管期間の目安」などを、社内規程や掲示物で周知しておくとトラブル防止につながります。

法律・条例や個人情報保護の詳細な取り扱いは地域や業種によって異なる場合があるため、最終的な運用ルールは専門家(弁護士・社労士など)へ相談のうえ決定することをおすすめします。

8. シーン別おすすめ構成例

8-1. 小規模店舗の例

レジ周りと出入口を中心に監視したい小規模店舗の場合の一例です。

  • カメラ台数:2〜4台(レジ・出入口・店内全景)
  • 画質:フルHD
  • 録画方式:常時録画
  • 録画期間:7〜14日
  • レコーダー:2TB程度のNVR

この構成であれば、コストを抑えつつ「万が一のトラブル時に1〜2週間さかのぼれる」防犯カメラ環境を構築できます。

8-2. オフィス・受付の例

来訪者管理や情報漏えい対策として防犯カメラを導入するオフィスでは、録画時間はやや長めに設定されることが多いです。

  • カメラ台数:3〜6台(受付・出入口・執務室入口など)
  • 画質:重要エリアはフルHD、それ以外はHDで調整
  • 録画方式:常時録画+夜間は動体検知
  • 録画期間:14〜30日
  • レコーダー:4TB程度のNVR

8-3. マンション共用部の例

マンションのエントランスやエレベーター、駐輪場などを監視する場合は、住民からの問い合わせに対応できる程度の録画期間が必要です。

  • カメラ台数:4〜8台(エントランス・エレベーター前・駐輪場など)
  • 画質:フルHD
  • 録画方式:常時録画
  • 録画期間:14〜30日
  • レコーダー:4〜8TB程度のNVR、またはクラウド録画サービス

管理組合で「防犯カメラ 録画時間」の方針を定め、住民に周知しておくことで、安心感の向上にもつながります。

9. よくある質問(Q&A)

Q1. 録画時間は長ければ長いほど良いのでしょうか?

必ずしも長ければ良いとは限りません。録画時間を長くすると、HDD容量やクラウド料金が増え、コストも高くなります。また、個人情報保護の観点からも、目的に対して必要以上に長く保存することは望ましくありません。業種・リスク・社内ルールを踏まえ、7日・14日・30日などの区切りで検討するのがおすすめです。

Q2. どのくらいの録画時間があれば「安心」と言えますか?

一概には言えませんが、一般的な店舗やオフィスでは、14〜30日分の録画時間を確保しておけば、多くのケースで対応できることが多いです。小規模店舗や来訪者の少ないオフィスであれば、7〜14日分を目安にしても問題ありません。

Q3. 途中で録画容量が足りなくなった場合はどうなりますか?

ほとんどのレコーダーは、容量がいっぱいになると「古いデータから順に自動上書き」する設定になっています。そのため、録画が止まってしまうことは通常ありません。ただし、「何日分さかのぼれるか」は録画時間(保存期間)と容量によって変わるため、導入前に想定しておくことが大切です。

Q4. 画質を落としすぎると、防犯カメラとして意味がなくなりませんか?

人物の顔や車のナンバー、レジ周辺の手元などを確認できる画質は必要ですが、すべてのカメラを最高画質にする必要はありません。重要な場所だけ高画質にし、それ以外は標準画質に設定するなど、メリハリをつけることで、十分な「防犯カメラ 録画時間」を確保しつつ、コストを抑えることができます。

Q5. 法律的に「最低◯日録画しなければならない」という決まりはありますか?

一般的な民間企業や店舗において、「防犯カメラは◯日分以上録画しなければならない」といった一律の義務はありません。ただし、業種や業界ガイドラインによって推奨される期間がある場合や、個人情報保護法などに基づく配慮が必要な場合があります。最終的な判断は、専門家や関係団体のガイドラインを参考にしながら決定することをおすすめします。

この記事の制作者

粂井 友和

システム警備を提供して20年以上、お悩みを解決したお客様5,000件以上のSATで責任者を務めています。

防犯カメラや防犯センサーなどを活用した防犯システムを、様々な状況に適した形でご提案します。

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