防犯カメラ配線の3つの基本
1.配線の種類
防犯カメラの配線方法は、さまざまなケーブルを活用して『防犯カメラ→レコーダー→モニター』の流れで接続するのが基本です。ただ、防犯カメラを配線する方法が主に以下の3種類に分けられます。
2ケーブルタイプ・1ケーブルタイプ・IPカメラタイプの3種類です。
それぞれの防犯カメラにあった種類を選別しましょう。
2.電源供給
電源の取り方は複数の種類があり、同軸タイプのカメラとIPカメラで異なります。
まずは同軸カメラについてですが、一般的に行われるのが2ケーブルタイプと言って、映像信号と電源を2本のケーブルで配線するやり方です。
もうひとつは同軸で映像と電源を1本のケーブルで供給する重畳タイプになります。カメラの種類によって配線の設計を行います。ここでは詳しく述べませんが、カメラの種類に合わせなければならないという事を覚えておきましょう。
次にIPカメラについてですが、電源の取り方の1つ目は、防犯カメラに電源アダプターを直接供給するタイプです。 別途LANケーブルを配線して映像を見れるようにします。
次にPoE(Power over Ethernet)給電です。専用のPoE給電装置を利用し、LANケーブル1本で電源と映像の信号を伝送します。現在はこの方法がメインとなってきているように感じます。
その他にも同軸やLANケーブルの変換アダプターやコンバーターなどを利用する配線方法、Wi-Fiタイプ、コンセントに差すだけタイプなどの様々な機種がありますので配線の方法はカメラによって選択肢が複数あります。
3.ケーブルの長さと品質
防犯カメラの同軸ケーブルや電源ケーブルの配線距離は、いくつかの影響を及ぼします。
一般的に、同軸ケーブルの場合3C-2Vとか5C-FBなどのケーブルを使用することが多いですが、ケーブルの種類によって伝送できる距離が異なります。
300メートルとか500メートル程度などが想定されますが、これは配線の環境条件にも左右されますので、できるだけ短い距離で配線することが望ましいとされています。
LANケーブルや電源ケーブルも長距離配線には注意が必要になります。
効率的な配線のための3つのポイント
1.計画的なルーティング
ケーブルのルートは事前に計画し、最短かつ最適な経路で配線することが重要です。
壁や天井を通す隠蔽配線を行う事が推奨です。
屋外に配線する場合なども配線用の配管を行うなど、防犯カメラのケーブルは1本の線を切断しないように配線するのが基本です。
2.配線の保護
ケーブルを損傷から保護するために、モールを使用することが推奨されます。
特に屋外での配管は保護対策としても効果的です。
配線の保護というのは経年劣化を防ぐというのと、意図的な切断をされないようにするという2重の保護です。
3.整理とラベリング
複数のカメラを設置する場合は、ケーブルを整理し、どのカメラに繋がっているかを示すラベルを付けると、将来のメンテナンスが容易になります。
数十本のケーブルを配線する場合には見分けが困難になりますのでエブ札などで整理しておくと効果的です。
配線で防犯カメラの性能を引き出す3つのポイント
1.規制と基準の遵守
建築物の規制や電気工事の基準を遵守して配線を行いましょう。必要に応じて、専門の電気工事士や防犯設備士に依頼することも検討してください。
また、防犯カメラを新築で設置する場合と、既存の建物に設置する場合でも施工方法や配線のタイミングが変わってきます。
建物の構造をよく理解し、防犯カメラの落下防止を考慮した工事を行うなどの注意も必要になります。
2.干渉の回避
電源ケーブルや他の電気機器の近くを通すと、電磁干渉が発生する可能性があります。干渉を避けるために、適切な距離を保つか、シールド付きのケーブルを使用しましょう。
もともと同軸ケーブルは干渉を受けにくい構造となっていますが、配線をする際に干渉する場所を回避するように配線することが必要となります。
3.将来の拡張を考慮
システムの拡張やカメラの追加を見越して、余裕を持った配線を行うと、後々の変更が容易になります。
防犯カメラを追加するという事は珍しい事ではありません。同軸ケーブルを新たに配線しなければならないという事も想定し、いずれにしても余裕を持たせることが重要だと考えます。
まとめ
法人向け防犯カメラの配線は、セキュリティシステムの効果を最大化するために重要です。
①配線の種類はカメラによって異なります
②電源供給のタイプを知り、最適な電源供給方法を選択する
③無限に距離を延ばせるわけではなく、距離に応じた配線対策が必要。
④最適な配線ルートを計画し準備する
⑤場合によっては専門業者に依頼をした方が良い
⑥映像を綺麗に撮影するなら干渉対策を行う
⑦将来の構想も視野に余裕を持った配線を行う
配線に関する内容はまだ奥が深く、単純にお話しできる内容ではありませんが、一般的な規模の工事であれば比較的基本の範囲内での施工は可能となるはずです。
専門の業者であれば、基本設計からケーブルの調達もスムーズに行え、現場で難しい工事が必要になる場合においても、逆算してカメラの選定を行うことが可能となってきます。
工事とカメラは常にセットで考えていくとより良いシステムの構築が可能となってきますのでこのあたりは考慮に入れておきましょう。
この記事の制作者
粂井 友和
システム警備を提供して20年以上、お悩みを解決したお客様5,000件以上のSATで責任者を務めています。
防犯カメラや防犯センサーなどを活用した防犯システムを、様々な状況に適した形でご提案します。
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